2014年04月21日

「うれうべき教科書の問題」をみる

 4/10の「草の根の会」に久しぶりに参加した際、学習活動として、いまの『教科書検定』への政治の介入に関連する1950 年代の「あかるい社会」に加えられた攻撃について話したいといったことから、次回5月にわたしがそれをすることになった。
それは当時の小学校社会科教科書「あかるい社会」(中教出版)などに加えられた政府・与党民主党の「うれうべき教科書の問題」についてである。執筆者のひとりとして郷土教育全国協議会の桑原正雄がおり、現在の教科書検定の問題とも当然つながっていることとしてである。
 その準備として、郷土教育全協の本を調べ始める中、当時の論文を中野図書館で聞き、それが国会図書館にあることを知る。そして、4/18に国会図書館にいき、パソコンで検索ー印刷をしてきた。3年ぶりに行きこれらの古い雑誌はデジタル化され、現物の本を取り寄せなくてもパソコン上で印刷までが可能であった。
 そこで見つけたのが「『うれうべき教科書の問題』について」家永三郎(『世界」1955,12月号)の論考であった。また、もうひとつは「うれうべき教科書の問題」民主党(1955年8月)の原本を見つけ出したのである。

 家永氏の論考5頁の中に大事な指摘がなされているのに驚く。
家永氏はこのパンフレットの具体的な例を取り上げて、古代史の部分では、学問的に正確な内容を「偏向」と非難していいることを指摘する。また、中国侵略、太平洋戦争に関する部分では、日本が犯したその重大な罪悪を反省することなしに日本は世界の平和に寄与することはできない、とのべている。この論考の基本は、この民主党の主張を憲法、教育基本法に則して明らかにまちがっていることを反論しているのだが、この60年前の論考が危惧し、指摘していることが今や現実化している現状を見ないわけにいかないのである。
 その一つは、当時すぐに民主党に反撃した教科書執筆者25名による抗議書の内容からである。その中に
「このパンフレットは、全体にわたり、学問上の誤りと事実の曲解による低級な中傷に終始し、国民の判断を誤らせようとしている」
「万一このパンフレットに盛られたような主張が通るとすれば、学問の成果が無視されるだけでなく、憲法と教育基本法そのものも偏向として否認されてしまうであろう」
「このパンフレットは単に私たちの名誉を傷つけるだけでなく、学問と思想の自由ならびに民主主義教育全体を脅かすものである」
 このことから、このとき教科書執筆者たちが危惧したことが60年後のいま現実になっていることがわかるのである。教育基本法はすでに改悪され、いまや憲法をも、自衛隊が戦争に参戦できるように改悪する企図が臆面もなく主張されている。
posted by sisi at 14:18| Comment(0) | カテゴリ無し | 更新情報をチェックする
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